海の贈りものを受けとる場所
「海辺で毎日をていねいに大切に暮らしたいな」と思い続けてきました。
海辺の暮らしの中で気づいたこと
海のすばらしさ・楽しさ
ウォータースポーツの楽しさ
などなどをご紹介できたらいいな。
90~95%の安全を計算して海に出る
海遊びは危険なものです。
ハハ、海遊びに限りませんね。山登りもボルダリングも危険です。
ぼくにいわせれば、車の運転の方が危険だと思いますけどね。
これまでン十年海遊びをしてきて、「今度は死ぬかな」と走馬燈が頭の中を回ったことがありましたが、なんとか今こうしてくだらないことを書いていられてシアワセです。
で、海に出るときに初めから危険なことをしようと思って出るわけではないんです。
「そんなん当たり前だろう」と思われるかもしれません。
そうなんです。海に出るときは十分安全を確認したつもりで海に出ているんです。
というか、ぼくは海遊び仲間ではどちらかというと慎重な方でして、海に出る前にはおよそ2000の安全確認項目をすべて指差し確認している(ウソです)ほどです。
というほどではないですが、安全確認のチェックリストを作っているのは本当です。もちろんそんなの頭の中に入っているので、チェックリストを見ながら確認したりはしません。
それだけ安全確認しても海では危ない目に遭います。それは車でいえば、自分はすごく安全に配慮して運転していても、危険な運転をする車が追突してきたらどうしようもないのに似ています。
海遊びの場合は、安全を見込んでも危険になる状況というのは、ぼくの経験では、一番が自然の状況です。海況の変化とか、自分が知らない特異な(その場所や時に限られた)自然の状況です。二番目は、人の側の不注意やアクシデントです。
これもある程度事前に情報を集めることでほぼ回避できます。自然の変化も天候に関することであれば、天気予報・天気図、海況状況を確認することである程度予想できます。
天候が崩れそうであれば、それがどれくらい危険なのかを評価し、海に出るのをやめるか、天気が崩れてもいい服装などの準備をしていきます。
特異な海況というのは、たとえば八丈島にナズマドというダイブポイントがあります。ここは八丈島と八丈小島の海峡に面したポイントでして、潮汐の関係で強い流れになることがあります。こうしたことも事前に地元の人に聞いたり、ダイブショップにガイドをお願いしたりすることで、チェックすることができます。
村上春樹さんが小説で書いていたように「世の中のたいていの情報は時間をかければ調べることができる」(表現は正確ではありません。だいたいそういう主旨の記述でした。)のです。
それでもなお、ぼくらが予想できない自然の変化は起こりえます。
それさえもぼくらが注意深く周囲の状況を観察していれば気づけることが多いように思えます。注意不足やわかったつもりで、自然の変化の兆候を見逃していることも多々あります。
ですが、やはり100%安全を保障することはできません。
感覚的には90~95%くらいまでは、なんとか安全度を高めることはできると思います。つまり100回に5回は安全ではない状況に遭遇するということです。
ぼくの経験からいって、この95%という数字について考えてみますと、スキューバダイビングとシーカヤックでは少し状況が違いますので、まずスキューバダイビングについて考えてみることにします。
100回というのは、1日だいたい2本潜りますから、50日分です。50日というとぼくの場合、だいたい1年から1年半くらいで潜る感じです。
直近の50日を振り返ってみましょう。
50日潜っていると、だいたい器材関係のトラブルが1回くらい起きます。それも自分の事前のチェックが甘い、不注意が原因のトラブルです。それも慣れからくる慢心が根っこにあります。
ですが命に関わるほどシリアスではないことが多かったです。たまたまですが…
たとえばレギュレーターのマウスピースがちぎれかけていたとか、ダイブライトが水没して点かなくなっていたとか、そんなようなことです。
このトラブルを回避することは、理屈ではできます。おそらく設備や自動車のメンテと同じで、部品の耐用年数は製造者によって想定されているので、その年数に従って器材をメンテしていけばいいわけです。ただ実際そんな几帳面なことをぼくがやれるかというと、実際は難しいです。
たとえば、BCやレギは年に一度はオーバーホールに出すとか(これはやっています)、HPホースの交換を何年かおきにやるとか、マウスピースやフィンのストラップやマスクのストラップ交換を何年かに1度やるとか、そういうことですが、わかってはいるものの、実際はダイビングに行ってみて、器材を着けてみて、「ありゃ。ちぎれかけているなあ」ということが多いのです。
なので、理論上は限りなくゼロに近づけられますが、実際のダイビングではこの種のトラブルはあり得るということになります。
それから身体面でのトラブルがあります。まあ、これも1~2回程度です。これは事前の準備運動などで軽減できますし、体調の悪いときは潜らなければいいので回避できます。
足がつるとか耳抜きがしにくいとかそういうトラブルです。
ぼくもだいぶ歳ですからこのトラブルの可能性は年々高まるでしょう。
あとは自然状況についてのトラブルです。まあ、これも1~2回程度です。
たとえば、直近であったことといえば、予想よりも潮の流れが強かったとか、すごく濁っていて、ツアーのメンバーがバラバラになりそうだったというようなことです。
これもある程度は避けることができることもあり、避けられないこともあるといった感じでしょうか。
ただし経験豊富になるにつれて、海況を読む力や予測する力やそういう状況に遭遇した場合の対処法などが身についているので、どちらかといえばこのリスクは減らせる方向にあります。
ただ他のリスクとの違いはどうしてもゼロにはできないだろうということです。
こうしてみると、安全を90~95%程度確保するというのは、まあ妥当なところだと思います。
それでも残る5%程度のリスクを受け入れられるかどうかというのは、その人の感覚でしょう。
ぼくの友人でとても心配性なヤツがいますが、彼はスキューバダイビングのCカードを取っただけで、その後ダイビングをやらなくなりました。その理由は危ないからだそうです。ちなみに彼は、ぼくが誘ってサーフィンもやりましたが、1回でやめてしまいました。
最近会ったので休みの日に何をやっているかと訊いたら、家で映画やドラマのDVDを見ているそうです。
なるほどですね。
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