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馴染みの喫茶店が閉店してしまった欠落感



 ぼくが長年通っていた家の近所の喫茶店がずいぶん前に閉店してしまいました。
 長年通っていてこんなことをいうのもなんなんですが、すごい特徴があるわけでもない普通の喫茶店でした。カフェブームが起きて、個性的なカフェが乱立している今だからよけいにそう思うのかもしれません。

 海辺の町にあって、海が見えるわけでもなくて、まわりが木々に囲まれていて、少し山小屋っぽくて、薪ストーブがあって、天井が高くて、気取らない、いついっても静かな喫茶店でした。
 ただ、不思議なもので、その喫茶店はなんとなく落ち着くんです。居心地がいいので、結構長居してしまうのでした。
 人の家に遊びに行ったときも感じますが、その建物が新しくて、高価で、キレイで、こだわりがあっても、居心地がいいと感じるとは限らない気がします。
 その空間が居心地がよくなるのは、設計者の意図によるものなのか、施工者の技術によるものか、住み手の生活のしかたにあるのか、あるいはいくつかが混ざりあっているのかはわかりません。
 ただ、確かにいえるのは、居心地がいい空間とそうでない空間があるということです。
 その行きつけの喫茶店は観光客を相手にした店ではありませんでした。お客はたいてい地元の人でした。混んでいることはめったになくて、馴染みのお客がポツポツといるという感じでした。
 コーヒーの香りとゆったりした時間が漂っていました。
 なんとなく自宅以外のところで、ゆっくりコーヒーが飲みたいなと思うと、その喫茶店に行っていました。特にすごく行きたいと思ったわけではないのです。なんとなく行っていたのです。ぼくの中では、自宅の別室とか離れみたいな感じでした。
 でも、店がなくなった今となっては、なんとなく行く場所がなくなった欠落感が、思いのほか大きいことに自分でも驚いています。
 そういうことって、他でもありますよね…






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