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ウォータースポーツも人生も「なんとかなるさ」でやってきました



「なんとなかるさ」というのが、海遊びをするときのぼくの基本的な心構えです。
 いえいえ、ぼくはそんな感じで生きてきました。
 一度海に出てしまえば、急に天候が荒れるかもしれないし、津波が来るかもしれないし、人食い鮫の群れに襲われるかもしれませんし、ゴジラが出てくるかもしれません。
 それはちょっと大げさですが、海にエントリーするときは穏やかだったのに、1時間もすると大荒れになっていたなんてことを何度経験したか…
 先のことなんかわからない。わかりっこないもん…
 でもわかんないから、怖いからやらないかっていうと、どうせ一度の人生だし、どうせみんな死ぬんだし、だったら好きなことをやろうと思うんです。ぼくはある頃から、たぶん大学生の頃からだと思いますが、そう思うように自分にいいきかせて生きてきました。
 そういう生き方と海遊びとは、ぼくの中では不可分で、切り離せないものとなっています。
 ぼくの中で海遊びというウォータースポーツと人生というのはかなり似たものとして分類されているのです。
 どこが似ているかというと、自分の周囲の環境が複雑で、コントロールができなくて、所与のものであるということ、そしてその環境の中で、自分の考え方を適応させながら楽しむというところが似ています。
 一方、ぼくの中で正反対のところに分類されているのが、大学受験とか資格試験です。出る問題は必ず答えがあって、しかもだいたいの傾向があって、出題範囲も限りがあります。みんなが同じ尺度で競争して、結果が点数化されて明白です。出題は歴史的に、科学的に正しいと検証されているものであって、それに対して疑う必要はないとされています。とても人工的で構造がかっちりしていて、計画を立てて努力すればするだけ結果が出ます。そのずべてが人生を生きることと正反対です。そういう意味で、大学受験や試験といった学生生活で課される事柄は、人生を生き抜くことに役立ちもしないというか、足かせになる事柄かもしれません。社会に出る準備段階としての学校という社会的役割を考えると皮肉なことです。
 自分の力が及ばないことを心配したり、しゃかりきになってコントロールしようとしないで、「なんとかなるさ」って考えて、とりあえず楽しむようになったのです。そう考えでもしなければ、怖くて海に出られないし、生きられません。明日のこと、いえいえ1時間先は誰にもわからないし、どうなるかわからない、ただただ今を楽しむだけです。

 そういう考え方を教えてくれた海に、ぼくは感謝しているのです。



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