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海の環境を保全する取り組みの盛衰



 ぼくがスキューバダイビングを始めて、かれこれ30年以上経ちますが、定期的に海関係の環境保全の取り組みがクローズアップされます。今だとSDGsですね。10年くらい前は地球温暖化防止でした。その前は廃棄物の削減、その前はサンゴを守れという取り組みがありました。
 ぼくも海遊びをする者として、海はきれいであって欲しいし、人間の活動が自然環境に与える影響が少ない暮らしをすべきだと思っています。
 でも、正直になってみると、環境保全のために、今の便利な暮らしを諦めることは、ぼくとしてはどこまでできるんだろうと思います。できる範囲からやりましょう、でいいならやれそうなんですけど…
 今、ダイバーに関係するSDGsの取り組みは、海岸や海中のクリーンアップGreen Fins(グリーン・フィンズ)やPeak Performance Buoyancy(ピーク・パフォーマンス・ボイヤンシー)でしょう。
 海中のクリーンアップはダイバーにしかできないことですし、場所によっては、海面以上に海中にはゴミが多かったりします。
 Green FinsとはUNEP(国連環境計画)とイギリスのReef World財団によるサンゴ礁保全の取組み。環境に配慮したダイビングやシュノーケリングのガイドラインの作成と、それを遵守しているダイビングショップの評価・認定を行なっています。
 確かにあまりスキルの上手くないダイバーのフィンが、サンゴを傷つけているという事実はあると思います。
 Peak Performance Buoyancyは、ダイバーが適切に中性浮力をとれるようにして、快適なダイビングをすることがメインの目的ですが、器材の引きずりなどによってサンゴなどの水中生物を傷つけないという効果もあります。
 ぼくが何十年かの単位で環境保全の取り組みを見ていると、その取り組みのテーマも移り変わるし、社会的盛り上がりには波があるということです。すごく盛り上がる時期もあれば、低調になる時期もあります。ただ人類の人口が増加傾向にあって、それに伴って、環境負荷が増え、また、社会が文化的に成熟していくことが不可逆的なことだとすれば、それに伴って、なんらかの環境負荷が増える可能性(減る可能性もありますが)があります。そういう大きな流れの中では、環境保全をしていこうという声は、高まることはあるでしょうが、低まることはないでしょう。

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