海の贈りものを受けとる場所
「海辺で毎日をていねいに大切に暮らしたいな」と思い続けてきました。
海辺の暮らしの中で気づいたこと
海のすばらしさ・楽しさ
ウォータースポーツの楽しさ
などなどをご紹介できたらいいな。
自然を相手にするスポーツの怖さと魅力
ぼくはウォータースポーツをします。マリンスポーツといってもいいかもしれませんけど、ぼくはウォータースポーツっていうようにしています。
具体的にはスキューバダイビング、シーカヤック、サーフィンです。以前はセイリングもやっていましたが、最近は遠ざかっています。
自然を相手にするというか、自然の中に入っていく行為には、ある程度危険が伴います。それは仕方のないことだとぼくは思っていて、別に都会を歩いていても、自動車が突っ込んで来たり、ビルの工事現場から鉄骨が落ちてきたり、強盗に巻き込まれたりすることもあるので、自然相手だから危険だとはいいきれないと思います。まあ、ちゃんと計算したことありませんけど、交通事故がリスクが高くて、次は強盗や空き巣、次は火事、次はクライミング、次は山登り、次はウォータースポーツというようなリスクの順番じゃないかなあって気がしてます。
自然を相手にするスポーツはある程度危険があるわけですが、それを自分の頭と技量を使いながらなんとかこなして、無事に帰ってくることができると、なんともいえない達成感があります。おそらく自分の力を出し切って結果を出した達成感なのでしょう。
自然というのは危険がある反面、ときどきとても美しい風景を見せてくれます。
そして自分以外の誰もいない場所で、しかも自然という素晴らしい環境の中で癒されるという面もあります。
これも推測ですが、自然相手のスポーツをやる人は、そのような達成感と自然の美しさと自然から得られる癒しに魅了されているんじゃないでしょうか?
それだからこそ自然を相手にするスポーツは、ある程度危険を伴っても十分にやる価値のある行為なのかもしれません。
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海はやっぱりいいですね!
ぼくは海が好きで、海辺の田舎町に引っ越しました。
海の魅力ってたくさんありますが、やっぱりスコーンと晴れた青い空とマリンブルーの海が広がっている、あの解放感ではないでしょうか?
ぼくはスキューバダイビングやシーカヤックやサーフィンといったウォータースポーツをやりますが、それぞれのスポーツの楽しさはもちろんありますけど、海という場に身を置くだけで、気持ちがよく、リフレッシュできる面があります。
海で潮に身体を浸し、ウォータースポーツで身体を動かし、太陽を浴びると気分がスッキリします。ぼくの場合、平日に溜め込んだストレスを休日の海での時間でリセットしている感じがします。
そして海から上がった後、シャワーを浴びて、スッキリしたところでビールを飲むというのが、休日のリフレッシュゴールデンスペシャルコースだとぼくは思っています。
やっぱり海はいいよなーなんて独り言をいいながら、ビールを飲む休日の夕方なのでした。
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平日の海の見えるレストランでランチを食べてリフレッシュ
仕事で土日に出勤して、その代わりに平日に休みになることがあります。いわゆる代休とか振休とか呼ばれるヤツです。
ぼくはこれが大好物でして、振休の日で海に出られない海況のときには、妻と一緒に近所の海が見えるレストランへランチに行きます。ぼくの好きなのはテラスのある店です。
ぼくは室内よりも空気が動いていて、潮風が感じられて、陽射しがあるテラス席が好きです。開放的で海もよく見えますし…妻は日焼けするから嫌がりますけど…
平日なので空いていて(でも、お客さんが誰もいないということはありません。不思議。リタイアした人なのか、ぼくと同じように平日休みの人なのか?)、お客さんもお店の人も、のんびりリラックスした雰囲気で、店内にユルい空気が満ち満ちています。
海を眺めながら、潮風を感じつつ、おいしいランチを食べて、食後のコーヒーもゆっくり楽しむというのは、海辺のレストランならではではないでしょうか。
こうしてリラックスして気分転換をして、また明日から仕事を頑張ろうと思うのです。
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海辺の土地の見極め方・分類方法について~海辺に住みたいと考えている方へ~
この文章を読んでいる方の中には、「これから海辺に引っ越したいな!」と考えている方もいらっしゃるかもしれません。
でも、一口に海辺といってもいろんな土地があります。「どこを選んだらいいの?」と思っている方に参考になればと思い、この記事を書きました。
以前にも海辺に住みたい人にとってどのような立地を選ぶかについていくつか記事を書いていますので、もしよければご覧ください。
その際参考にさせていただいていたのが『いつかは海辺の家で暮らす』という本です。著者である加藤さん・植村さんは、海辺の家のロケーションをA-1・A-2・B-1・B-2の4パターンに分けています。
Aは海岸線に建つ場合で、Bは海岸線ではないが海まで徒歩圏内と大きく分かれます。
A-1は平地にあって目の前が海の家
A-2は崖っぷちなどの高台にある家
B-1海辺から内陸に少し入った家
B-2海辺から内陸に少し入った高台の家
これは画期的で合理的な分類ですね。自分が住みたい土地のイメージを明確にするのと、実際物件を探す際に、不動産屋さんに伝えやすいというメリットがあります。
で、ぼくは自分の好みの立地を考えていくうちに、もう少し他の要素があるんじゃないかと思いました。
加藤さん、植村さんのアイデアをパクったとか剽窃したとか、そういうことではありません。
アイデアを発展させた!という感じで受けとっていただきたいと、かように考えるわけであります。
あるいはお二人にインスパイアされた!と意味なくカタカナなど使ってオシャレなイメージにしちゃいましょう。
a:海岸からの距離
b:高さ(標高)
c:陸の地形(平野か山が迫っているか)
d:海の地形(砂浜か磯かなど)
e:土地の用途(宅地か山林か農地かなど)
f:町からの距離(市街地か田舎か)
g:その他
これらの要素があるとぼくの住みたい立地がある程度表現できるのです。
そしてaからfそれぞれにさらに要素があります。
それを1から順に番号を振ってみます。
ちなみにぼくの好みの立地を表現してみると…
a1:b2:c2:d2:e2:f2
ということになります。
ぼくは海に近くて、標高が20m~30mくらいの斜面か丘で、山地かリアス式の土地で(平野はあまり好きではありません)、小さな砂浜と磯があって(そういう砂浜はたいてい両端に磯や岬があるので)で、山も近くて、あまり建て込んでいない田舎が好きです。
その他の好みとして、海から家までの間に道路が通っていないところが好きです。湘南の134号線のような大きな道が通っているような土地は好きではありません。海と隔てられている感じがしますし、海に行くのにいちいち信号とか横断歩道とか面倒くさいじゃん。
また、家から海まで階段がない場所が好きです。スロープになっていると、海遊び道具をカートに載せて運べるからです。
それから(まだあるんですよ)家が道路のどん詰まりになっているところが好きです。なぜならその道を通る人が必ず自分の家に用があるからで、通過するためだけの人が通りません。そういう土地ってすごく安心感があるし、プライバシーが保てるんですよね。
さて、それでは各要素の長所・短所について、ぼくの考えをまとめます。
a:海岸からの距離
この項目は海好きな人でも、ウォータースポーツをやる人か、海を眺めるのが好きな人かによって好みが出ます。
ウォータースポーツが好きな人なら、海に近い方がいいでしょう。ちなみにぼくの経験では、徒歩5分以内でないと、サーフボードやシーカヤックなどを運ぶのが億劫になります。
ただし、海から近いと塩害、砂の害、津波など心配なことも増えます。ぼくの知り合いで海岸べりの防波堤のギリギリのところに家を建てた人がいますが、ちょっと海が荒れると家全体が潮をかぶってしまうそうです。この人なんかは海辺に住んでいるというより、もはや海に住んでいるといっても過言ではない、苦しゅうない、近こうよれ、よっしゃよっしゃ、あっぱれあっぱれ…
一方、海からあまり離れてしまうと、それってもう海辺じゃないじゃんということになり、何のために海辺に移住したのかわからなくなります。なので離れるといっても徒歩で20分以内じゃないの?というのが、ぼく的な目安です。
b:高さ(標高)
これはイメージしやすい項目ではないでしょうか?
海辺の高台に住むと眺めがいいもんねー、てなことです。
ただ注意が必要なのは、ウォータースポーツをする人で大きな道具を運ばなければならないような場合、たとえばシーカヤックとかウインドサーフィンとかセイリングとかですけど、そういう場合はあまり急で標高の高いところに住むと、海に行くのが億劫になります。いえいえ、海に行く時は下りだからまだいいんですが、海で遊んで家に戻るときに坂道を登らななくてはならず、立地によってはたいへんなことになります。
熱海はずーっと上の方まで別荘地が続いていますが、あまり上の方は海辺という感じがしませんもんね。
ぼくが海辺で土地を探すとしたら、aとbのバランスに一番こだわると思います。
ぼく的にはウォータースポーツをしますので、海辺に近い方がいいなあと…
一方、家にいるときも海を眺めたいので、ある程度高台に住みたいのです。なので、ウォータースポーツの器材を運ぶのに苦にならない程度の高台(標高20mとか30mで緩やかな坂道って好みがいちいちうるさいでしょう)で、海まで徒歩3分以内という立地が理想です。
c:陸の地形(平野か山が迫っているか)
地形ってけっこう大事です。タモリさんほどじゃないですが、ぼくも結構地形好きです。
茅ヶ崎とか九十九里みたいな土地って、海からほとんど標高が上がらず、平野がズーッと内陸まで続いています。そういう土地が好きな人もいます。
平野のいい点は、家が建てやすく、移動が自転車とか徒歩でラクラク・ランランというところ。悪い点は津波が来たとき、逃げる場所がないということです。あと、たいていそういうところって家が建てやすいので、建て込んでいるんですよねー。それに竜巻が起きやすい場所ってたいてい平野です。
ぼくは海が好きですが、山や森も好きで、見た目に変化のある地形が好きです。そういう点で平野は好きではありません。
一方、熱海とか熱川とかって山が海に迫っている地形で、平野がほとんどありません。ぼくはこういう土地の方が好きです。
山が迫っている土地のいい点は、眺めの良さが期待できるということ、森になっていることも多いので緑が豊かで鳥なども多く、田舎暮らしをしている感が満載です。悪い点は坂道が多いので移動がたいへん、平地が少なく住む場所が少ない、崖崩れがあるかもしれない、地形によっては風や雨が多いかもしれないということです。
そしてリアス式の海岸というのは、志摩とか有名ですね。油壺なんかはリアス式海岸ではないかもしれませんけど、そういう雰囲気を醸し出していますが、入り江がたくさんあって、丘から海までドロップオフ的にストンと下がっている立地です。陸地は山というより丘というのが相応しい高さだといえます。
リアス式の海岸のいい点は入江がたくさんあり、水深も深くなっているので、天然の良港になりうること、変化に富んだ地形が楽しめることです。悪い点は平地が少なく住む場所が少ないこと、坂が急なことでしょう。
また、島もこの項目に含めてもいいでしょう。ぼくも島好きですが、島は島ならではのよさがあります。一方陸続きではないので、交通の不便さはあります。
d:海の地形(港か砂浜か磯かなど)
サーフィンをする人は海が砂浜になっている方がいいですよね。一方スキューバーダイビングやスノーケリングをする人は、磯や珊瑚礁になっている方がいいでしょう。また釣りやボートやセイリングをする人は港があった方がいいかもしれません。また複数の要素が近接している立地もあるかもしれません。
珊瑚礁なんて憧れますが、沖縄とか小笠原とか海外が選択肢に入ってきて、ぼくはちょっとそこまでは…という感じです。
ちなみにぼくはそんなに長くない砂浜が好きです。そういう砂浜はたいてい両端が磯か岬になっているので、砂浜と磯両方を備えていて、ぼくのようにサーフィンもするダイビングもするという人にはピッタリの地形です。
e:土地の用途(宅地か山林か農地かなど)
いわゆる不動産関係の人が地目と呼ぶ項目です。不動産を買う場合、気になる項目ですが、ここではその土地周辺の雰囲気も指します。地目が宅地ならばだいたい一帯が住宅地で、家が建て込んでいたりします。上下水・電気などのライフラインはキチンと整備されていたりします。暮らしやすいですよね。
山林や農地だと、周囲に家のない土地かもしれません。また、場所によっては水道と電気を引かないといけないかもしれません。
家を建てるときも宅地なら問題なさそうですが、別に山林でもその分安くていいという方はそれでもいいでしょう。一方、農地だと家を建てる際に制限がありますから、そこは要チェックでしょう。
f:町からの距離(市街地か田舎か)
田舎暮らしをしたい方は、あまり建て込んだ市街地を好まないかもしれません。一方、生活の利便性を考えると、スーパーや病院などが近い方が便利です。自分の好みをはっきりさせるか、あるいはバランスをとるか、自分の考えを整理した方がいいのではないでしょうか?
ぼくは今近くのコンビニまで車で10分、スーパーまで15分程度のところに住んでいますが、別に不便ということはありません。好みとしてはもう少し不便なところでもいいかなーと思っています。スーパーまで車で20~30分くらいならぜんぜん許容できます。
今は、宅急便や郵便の配達がしてもらえるところなら、かなりの生活必需品がネットで注文できるので、その辺は思い切って田舎に住むという選択もありですね。
g:その他
これについては、先ほど書きましたが、海から家までの間に道路が通っていないところ、とか、家から海まで階段がなくてスロープになっている、とか、家が道路(できれば私道)のどん詰まりになっているところ、といった好みがあります。
おそらくこれは人それぞれいろいろあるんだと思います。
四角い土地がいいとか、南向きじゃなきゃだめとか…
さてさていろいろ長く書いてしまいました。
これらの分類は、細かくて面倒くさそうですが、自分の理想の海辺の立地を明確にできるというメリットがあります。
もしあなたが海辺への移住を考えていらっしゃるなら、そして自分の理想の立地がイマイチはっきりしていないなら、上の分類を参考にご自身の希望を明確にしてはどうでしょうか?
雑用をこなしながら海でのんびりする日々
生来怠け者なうえ、自分のやりたいことは一生懸命やりますけど、人から指図されることはやりたくないという性格です。
しかも趣味はビーチで海を眺めながらボーッとすること、2番目の趣味は、海を眺めながらビールを飲みつつボーッとすることという、ギリギリでかろうじて社会人としてなんとかやっているという僕です。
なので土日の休日に用事が入るとウンザリします。さらにウンザリしつつも対応してしまう自分が腹立たしいです。
その用事がなんだか面倒くさそうな、親の土地の権利がどうのこうのしたいから親族で集まるぞとか、町内会長をやってくれないかとか、民生委員をやりませんかとか、隣の家の木の枝が我が家にすごく入って生えているから切ってもらわないといけないとか、病院に検査に行かなければならないとか、そういうのって本当に勘弁して欲しいです。
世の中にはそういう雑事の処理が三度の飯より好きという人もいるのかもしれませんが、ぼくは仕事と家族の時間は別として、自分の時間を、ただただノンビリゆったりボーッと過ごしたいのです。でも世の中で普通に生きていくためにはそうはいかないんですよね。マナマケモノほどには怠け者ではないけど、結構怠け者のぼくが、休日に結構バリバリ雑事をこなしたりすることもあったりして、生きるとはそういうことなんだ、いい歳したオジサンでもやることはたくさんあって、「よきにはからえ」と分厚い座布団の上で鎮座しているわけにはいかないのだと、自分にいい聞かせている次第です。
日常生活の雑事でさえこうなんだから、人生の喜怒哀楽や生きる苦しみからは到底解放されず、解脱などできるはずもないですよね。たぶんこうして雑事に追い立てられながら死んでいくんでしょう。
ああ、その前にスキューバダイビングしたいー。
◆海辺で暮らしたい人に具体的なアドバイスが書かれている本です。
『いつかは海辺の家で暮らす―海辺暮らしのすすめ』
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いろいろな海辺でさすらうように暮らしたい
ぼくにはなんとなくやりたいと思っていることがありまして、それは実現に向けて具体的に行動を起こすという類のものではなくて、なんとなくやってみたら面白いだろうなあと思っていることです。
それはいろいろな海辺で暮らしてみたいということです。
よく都会に住んでいる人で、海辺に別荘を持っている人がいますが、ぼくのやりたいのはそういうことではなくて、ある海辺に1年くらい住んで、また別の気に入った海辺に引っ越して、そこで1年とか2年とか暮らして、また別の海辺に移るということがやってみたいんです。
妻にいったら反対されるのはわかりきっているので、自分のココロの中だけでそう思っているだけですが…
これまでいろいろな海辺を旅してきました。そうするとそれぞれの土地の魅力を少し体験できます。で、もう少し長くいたいなと思うわけです。でもそこに定住したいとは思わないんですね。
また、別の魅力的な海を見つけてそこに移り住んで、その土地の良さを味わいたいんです。そんな暮らしをしてみたいなあと夢想します。
なぜ自分がそんな風に思うのかはよくわかりません。たぶんいろいろな海辺の土地の良さを知りたいという好奇心だと思うんですが…
あとはぼく自身が昔から同じ土地にずっと居たいと思わなくて、次々に新しい土地に移っていきたいという「さすらい型の人」みたいでして、これまでもやたら引っ越しをしてきました。そういう性格も関係しているのかもしれません。
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住む場所の違いにおける人と人との関係性について
ぼくはこれまで海のある南の島やリゾートを中心に旅してきました。理由は簡単で、ぼくは海が好きで、世の中のできるだけ多くの海を見てみたいと思うからです。
それに加えて海好きが昂じて、相模湾沿岸の海辺の田舎町に住んで、そこから東京の会社に通っています。海辺の田舎町ですから、近所づきあいも密ですし、海遊び仲間も多いんです。
一方で、家族を持つまでは東京のわりと街中で一人暮らしをしていました。
で、そういう経験を踏まえて、島旅から帰ってきたときや、自分の住んでいる町から東京に来るといつも感じることがあります。それは東京って人口密度が高くて匿名性も高い街だなということです。そのことによる人付き合いの仕方が独特だよなって思います。
東京って、道ですれ違う人と挨拶しないじゃないですか?
というか、挨拶する人がいたら「どこかで会った知り合いかな?」「何かの勧誘かな?」とか身構えちゃいますよね。
でも、これが人口が数百人の島だったら、道で会った人と挨拶しないなんてあり得ないことです。みんな道で会ったら、挨拶して世間話の一つや二つするものです。場合によっては近くの家に上がり込んでお茶なんか飲んだりします。
同じ日本人で、この差は何なんだろうということに、ぼくは長年興味を持ってきました。
別の例ですと、以前ぼくは東京の10階建てくらいのマンションに住んでいたことがあるんです。1フロアの住戸は10世帯くらいの規模のマンションです。で、ぼくは妻と住んでいたんですが、ぼくも妻も隣の部屋の住人どころか同じフロアの10戸の部屋の住人の誰とも知り合いじゃなかったんです。たまに廊下であったりすると挨拶するくらいはしてましたけど、部屋と住人の顔は一致していない程度の知識しかなかったんです。
今考えれば、これもすごく不思議な関係性だなと思うんです。
ぼくが今住んでいる海辺の田舎町では、町内のどこそこの誰がどんな人で、どんな家族がいるのかというのは把握しています。最近病気で調子が悪いとか、旦那さんが定年退職になったから毎日家にいるんだとか、どこそこの息子さんは頭がよくて東大に合格したらしいとか、そういうことも知っています。
もちろん道で会ったら挨拶しますし、ちょっとした雑談もします。
こんな経験をしてきて、ますますぼくは人と人との関係性について不思議に思うようになったんです。同じぼくという人間で、他者との関わり方が、住む場所によってこんなに違うのは何なんだろうって思うんです。
キーワードは人口密度と匿名性なのかなって思ったりします。
渋谷のような人口密度の高いところって、人は他者を見てみない振りというか、いないものとして処理しているような気がします。でも島のような人口密度の低いところでは、他者への関心を持たないわけにはいかないメンタリティになるんじゃないかと推測します。
もうひとつの推測は、人は多過ぎるものや有り余っているものについては関心を持たないけれど、少ないものや希少性の高いものには関心を持つのではないか、というものです。
もうひとつの匿名性は、匿名のまま暮らせるところだと人は匿名であることを優先させて暮らすのではないかと思うのです。匿名であることは、ある面でとても気楽だからです。
でも匿名であることがなりたたない場所で暮らすと、人は許容できる範囲で自己開示をするし、他者への関心を持つようになるのではないかと推測します。
どちらが暮らしやすいかというのは、人それぞれの感じ方によって違うと思います。ぼくはわりと人付き合いが好きなので、田舎のようなコミュニティでの人との距離感が好きですし、安心できます。
そんなに急いでカリカリしなくてもいいんじゃない?
海辺の田舎町で暮らしています。
夏以外の季節は、観光客も少なくて、ノンビリした雰囲気が町中を覆っています。
妻と一緒にスーパーへ行っても、顔なじみの店員さんと雑談したり、道で会った知り合いと雑談したり、シーカヤックで海に出ると知り合いにたいてい会うので、その都度雑談したりと、まあ雑談ばかりしているわけですが、みんなそれだけノンビリと暮らしているということなのかなーと思ったりします。
そんなノンビリゆったりした田舎町ですが、先日スーパーでちょっとした出来事を目撃しました。何かちょっと地元民とは思えないバリッとした、たぶんブランド物の服やバッグを身につけた男女がレジの人にレジ打ちが遅いと文句をいっているんです。
いやーびっっくりしました。長年スーパーで買い物してますが、レジ打ちのスピードにクレームをいう人は初めて見ました。レジの打ち間違いで文句をいっているわけではないんです。
もしかして都会の人なのかなと勝手に想像しました。服装も立ち居振る舞いも地元っぽくないし…(地元の人はもっとラフでユルい服装をしてます。特にスーパーに買い物に行くときには)
見ていて、あまり気持ちのいい感じはしませんでした。
この感覚って何だろうって思いました。
地元の人が地元のペースで普通に楽しく暮らしているのに、他所から来たかもしれない人が、そのペースを乱して怒りをぶつけている…何か違うんじゃないかと…
いや、そもそもたかがスーパーのレジで、そんなに急いでカリカリしなくてもいいんじゃないかと…
海を眺めながらボーッとしています
ぼくは怠け者でして、海を眺めながらボーッとしているのが好きです。一日中は無理としても、半日は波を見たり、空を見たり、海を見たりしながら、ボーッとしていられます。そしてそういうゆったりした時間が好きです。
締切りに追われたり、急かされたり、一日にやることがビッチリ詰まっていたりする状況は、とても苦手です。
いつからそうなったのかわかりません。若い頃はもっとアクティブで、じっとしているのが苦手というか、時間を無駄にして何か悪いことをしているような気持ちだったのですが、正確なところは忘れてしまいました。
なので馬鹿か阿呆のように、海を前にしてボーッとしています。
ただボーッとしているわけではなくて、いろいろ考えたりはします。自分の来し方行く末のこと、家族のこと、仕事のこと、趣味のこと、ただただ頭に浮かんでは消えることを考えています。
最近よく考えるのは、ぼくは50代なんですが、これからどうやって生きていこうかなということです。これまでぼくはそれなりにやりがいを持って仕事に打ち込んできましたし、家族を養うために、気持ちが張っていたんです。ただ、子供達が成長して、自立すると、自分の中で、家族のためにという気持ちの張りがなくなってしまって、なんだか調子が狂っているんです。
ぼくにはウォータースポーツの趣味があって、何もやることがなくて困るというわけではないんですが、だからといってウォータースポーツに対して大きな目標や願いがあるわけでもありません。
なので、なんとなく気が抜けたような感じが、このところ続いています。
いつかこういう気持ちから脱出できるときが来るとは思うんですが、今はただ海を眺めながらボーッとしているだけです。
レストランだった頃のビーチバムの思い出
ぼくが好きだったレストランのひとつにビーチバムという店がありました。「ありました」というのは、もうレストランとしては営業していないんです。マリンスポーツクラブとスキューバダイビングショップとしては営業しています。
ビーチバムは神奈川県の西岸の三戸浜というところにあります。三戸浜の民家が建て込んだ細い道を何度か曲がって、やっと辿り着ける、ちょっと隠れ家的な店です。以前は1階がレストラン、2階が宿泊施設になっていました。レストランの前には海が広がっていて、そこに大きなデッキが張ってあります。ぼくはこのデッキで食事をするのが好きでした。
三戸浜は西に向かって開けていますので、午後の遅い時間から夕方にかけては、夕陽がきれいなんです。暮れゆく空と夕陽を映す海を眺めながら食事をするのは、なんとも幸せな時間でした。
ただやはり知る人ぞ知る店という感じで、そんなにいつも混雑しているわけではなかったので、経営的には苦しかったんでしょうね。
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