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自分の力だけで進む…あるいは把握可能な大きさの物と自分の関係…



 ぼくはたまたまシーカヤックもやるし、小型2級船舶免許も持っているので、レンタルボートに乗ったりもします。それからちょっとワケあって、セイリングのレースのテンダーも操縦したりします。
 テンダーというのは、ヨットに何かあったら助けるためのもので、通常エンジン付きのゴムボートを使うことが多いんです。なので、テンダーのことをゴムボっていったり、ゴムっていったりします。
 で、あるときテンダーのエンジンが故障してしまったんですね。
 エンジンをかけようとしてもかからないわけです。
 そうなるとテンダーってただのゴムボートなわけで、風や潮に流されるし、オールで漕ぐんですけどなかなか進まなかったりします。
 大きめのボートだと、こういうトラブルに備えてサブエンジンを付けているんですが、小さなゴムボにサブエンジンを付けたりはしません。
 こういうトラブルに遭うと、風の力だけで進むセイリングの方がずっと身軽だったりします。
 もっといえばシーカヤックなんてもっと身軽です。
 シーカヤックは自分がエンジンで、自分の力だけで進みますから、壊れるか疲れるか事前にある程度予想がついて、ぼくは気楽だったりします。
 気楽というのは、いくつかの意味を含んでいるんですが、人や物をあてにしていないから気楽だという意味と自分だけが頼りでいっそ清々しいという意味と自分のことは他人のことよりもわかるので安心だという意味です。
 機械があることで、普通の人間の力では到底行けないような距離を楽に進めたりしますが、一方で機械が故障したときの反動が大きいですね。
 飛行機なんて最悪の場合、大事故ですもんね。
 その点、シンプルな道具~シーカヤックとかヨットとか自転車とかですけど~って、機械に何かあっても、まあそんなに大惨事になることは少ないといえるかもしれません。ヤバいとわかっていることは基本しないし、するときはわかってするわけですから…
 自分の身体が把握できる範囲の道具を使って何かするって、道具が身体の一部になったみたいで、心地いいものです。








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