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日焼けマシンは発がんリスクがあるとか、日焼けするとがんになりやすいのかということについて
以前新聞記事を読んでいたら、日焼けマシンは皮膚癌のリスクが高めるという記事を読みました。
この記事の元になったのはWHOの国際がん研究機関の研究結果で、日焼けマシンを発がんリスクが高い「グループ1」に引き上げたそうです。同じグループに属するのはアスベスト、たばこ、X線、太陽光だそうです。
【産経新聞より引用】
【パリ AFP=時事】世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)は29日、人工的に紫外線をあてて肌を小麦色にする「日焼けマシン」の利用が、がんの発症リスクを著しく高めることは疑いないとの調査結果を発表し、たばこやアスベストと並ぶ最高度のリスク分類に引き上げた。
IARCによると、日焼けマシンの使用を30歳未満で開始した場合、皮膚がんの中で致死性が最も高いメラノーマの発症リスクが75%増加するという。
発表を受け、英国皮膚科学会は「発がん性を認定したことを歓迎する。子供にマシンを使わせないよう、日焼けサロン産業を規制する措置を取るべき時期だ」と強調。仏皮膚科学会は「長年、政府に危険性を訴えてきた。法律で禁止するよりも人々に周知することが先決」とした。
これに対し、英国の日焼けサロン業界は「過剰に紫外線を浴びた場合のみ皮膚がんとの関連性が問題になる」と反論する声明を発表した。
日焼けマシンについては、仏、独、スウェーデンなど欧米各国で成人の25%近くが使用経験があるとの調査結果がある。特にドイツでは18~45歳の1400万人が利用し、うち4分の1が17歳未満で使用し始めているとされる。
【産経新聞より引用】
人工の紫外線を肌に照射して日焼けする「日焼けマシン」について、東京都が全国初の実態調査を実施した。利用者のうち、日焼けマシンがアスベストやタバコと同レベルの発がん性を持つことを「知らない」と回答した人が7割に上り、その安易な利用実態が明らかになった。また、使用後に体調不良や痛みを感じるなどした人が約2割、やけどや脱水症状、目に傷害を受けた人も2%以上いたことが判明した。
都によると、日焼けマシンは全国に約5千台あり、うち約1200台が都内に設置されているという。調査は、特に日焼けマシンが集中する首都圏1都3県の小学生以上を対象に行われ、利用経験者の男女1千人を抽出し、アンケートを実施した。
初めて日焼けマシンを利用した時期は、20代が約47%と最多で、次いで10代が約25%だった。被害者の中には、全身やけどと脱水症状で救急搬送された女子高生など、全治1カ月以上のやけどや入院を余儀なくされた重傷者もいたという。
世界保健機関(WHO)は平成17年、日焼けマシンの18歳未満の使用を禁止するよう警告。国際がん研究機関も昨年、日焼けマシンの発がんリスクをアスベストやタバコと同じ最も危険性あるグループに引き上げており、欧米各国では法規制が進んでいる。
ところが国内では「野放し状態」(都担当者)で、マシンの大半が外国製で日本工業規格(JIS)さえ受けていないという。また国内で唯一、利用ガイドラインを定めた「日本セーフティ・タンニング協会」の加盟店はマシンがある全国約1千施設のうち54施設に留まっている。
都は「国に日焼けマシンを所管する省庁がないことが問題」とし、国にガイドラインの作成や利用者への啓発を提案した。
ちなみにIARCの「グループ1」(ヒトに対する発癌性が認められる(Carcinogenic)、化学物質、混合物、環境)をウィキペディアで調べてみると以下の項目が入っているようです。
【ウィキペディアから引用】
化学物質
アフラトキシン (Aflatoxins)
4-アミノビフェニル(4-Aminobiphenyl)
ヒ素およびヒ素化合物 (Arsenic and arsenic compounds)個々の物質ではなくグループとして評価
アスベスト (Asbestos)
アザチオプリン (Azathioprine)
ベンゼン (Benzene)
ベンジジン (Benzidine)
ベリリウムおよびベリリウム化合物 (Beryllium and beryllium compounds)グループとして評価
クロロナファジン (N,N-Bis(2-chloroethyl)-2-naphthylamine; Chlornaphazine)
ビスクロロメチルエーテルとクロロメチルメチルエーテル (Bis(chloromethyl)ether and chloromethyl methyl ether)工業用試薬
ブスルファン (1,4-Butanediol dimethanesulfonate, Busulphan, Myleran)
カドミウムおよびカドミウム化合物 (Cadmium and cadmium compounds)グループとして評価
クロラムブシル (Chlorambucil)
メチル-CCNU(セムスチン)(1-(2-Chloroethyl)-3-(4-methylcyclohexyl)-1-nitrosourea, Methyl-CCNU; Semustine)抗癌剤
六価クロム化合物 (Chromium[VI] compounds) グループとして評価
シクロスポリン (Ciclosporin)免疫抑制剤
シクロホスファミド (Cyclophosphamide)抗腫瘍剤
ジエチルスチルベストロール (Diethylstilboestrol)
エプスタイン・バール・ウイルス (Epstein-Barr virus)
エリオナイト (Erionite)
酸化エチレン (Ethylene oxide) Type2AからType1に昇格
エトポシド (Etoposide) - シスプラチン (Cisplatin) - ブレオマイシン (Bleomycins)併用時 抗腫瘍剤
ホルムアルデヒド (Formaldehyde)
γ線照射
ヒ化ガリウム (Gallium arsenide)半導体
ヘリコバクター・ピロリ感染 (Helicobacter pylori, infection with)
B型肝炎ウイルスの慢性感染 (Hepatitis B virus, chronic infection with)
C型肝炎ウイルスの慢性感染 (Hepatitis C virus chronic, infection with)
ウマノスズクサ属の植物を含有する薬草療法 (Herbal remedies containing plant species of the genus Aristolochia
HIV-1ウイルスの感染 (Human immunodeficiency virus type 1, infection with)
ヒト-パピローマウイルス16型の感染 (Human papillomavirus type 16, infection with)
ヒト-パピローマウイルス18型の感染 (Human papillomavirus type 18, infection with)
ヒトT細胞白血病ウイルス1型の感染 (Human T-cell lymphotropic virus type I, infection with)
メルファラン (Melphalan)抗腫瘍剤
メトキサレンと紫外線-A照射 (8-Methoxypsoralen, Methoxsalen)尋常性白斑治療剤
MOPPと他のアルキル化抗腫瘍剤の併用療法 抗腫瘍剤
マスタード・ガス (Mustard gas, Sulfur mustard)
2-ナフチルアミン (2-Naphthylamine)α-ナフチルアミン とも
中性子線 (Neutrons) Type2BからType1へ昇格
ニッケル化合物 (Nickel compounds)グループとして評価
更年期以降のエストロゲン療法 (Oestrogen therapy, postmenopausal)
非ステロイド性エストロゲン様物質 (Oestrogens, nonsteroidal)個々の物質ではなくグループとして評価
ステロイド性エストロゲン様物質 (Oestrogens, steroidal)個々の物質ではなくグループとして評価
タイ肝吸虫の慢性感染 (Opisthorchis viverrini , infection with)
経口避妊薬の組合せ (Oral contraceptives, combined)個々の物質ではなくグループとして評価
経口避妊薬の常用 (Oral contraceptives, sequential)
リン-32標識リン酸 (Phosphorus-32, as phosphate)
プルトニウム239と放射壊変物のエアロゾル (Plutonium-239 and its decay products , as aerosols)プルトニウム-240と同位体も含む
放射性ヨウ素(131Iを含む)被曝 (Radioiodines, short-lived isotopes, including iodine-131, (exposure during childhood)) 原子炉事故あるいは核兵器爆発で発生
α線放射核種の内部被曝 (Radionuclides, a-particle-emitting, internally deposited) 個々の物質ではなくグループとして評価
β線放射核種の内部被曝 (Radionuclides, b-particle-emitting, internally deposited 個々の物質ではなくグループとして評価
ラジウム224と放射壊変物 (Radium-224 and its decay products)
ラジウム226と放射壊変物 (Radium-226 and its decay products)
ラジウム228と放射壊変物 (Radium-228 and its decay products)
ラドン222と放射壊変物 (Radon-222 and its decay products)
ビルハルツ住血吸虫への感染 (Schistosoma haematobium, infection with)
石英結晶 (Silica, crystalline) cristobalite粉塵の吸引
太陽光曝露 (Solar radiation)紫外線による
アスベスト様繊維を含むタルク (Talc containing asbestiform fibres)
タモキシフェン (Tamoxifen) 抗腫瘍剤
2,3,7,8-四塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン (2,3,7,8-Tetrachlorodibenzo-para-dioxin) Tyype2AからType1へ昇格
ダイオキシン類の一つ
チオテパ (Thiotepa)
トリウム232トレーサーの静脈投与と放射壊変物 (Thorium-232 and its decay products, administered intravenously as a colloidal dispersion of thorium-232 dioxide)トレーサーとしてのトリウム-232二酸化物コロイド
トレオサルファン (Treosulfan)
塩化ビニルモノマー (Vinyl chloride)
X線照射
混合物
アルコール飲料 (Alcoholic beverages)
フェナセチンを含む鎮痛剤 (Analgesic mixtures containing phenacetin)
ビンロウジュの実 (Areca nut)
タバコと併用のビンロウジュ噛み (Betel quid with tobacco)
タバコなしのビンロウジュ噛み (Betel quid without tobacco)
コールタール残渣 (Coal-tar pitches)
コールタール (Coal-tars)
未処理あるいは粗処理の鉱油(Mineral oils, untreated and mildly treated)
中国式塩蔵魚 (Salted fish , Chinese-style)
シェール油 (Shale-oils)
煤煙 (Soots)
無煙のタバコ製品 (Tobacco products, smokeless)
木工粉塵(Wood dust)
環境
アルミニウム精錬従事 (Aluminium production)
飲料水中のヒ素含有環境 (Arsenic in drinking-water)
オーラミンの製造に従事 (Auramine, manufacture of)
靴製造あるいは修理に従事 (Boot and shoe manufacture and repair)
石炭ガス製造に従事
コークス製造に従事 (Coke production)
木工家具製造環境 (Furniture and cabinet making)
赤鉄鉱地下採掘でのラドン被曝環境 (Haematite mining (underground) with exposure to radon)
受動的喫煙環境 (Involuntary smoking )
鉄の鋳造環境 (Iron and steel founding)
強酸プロセスによるプロパノール製造に従事 (Isopropanol manufacture ,strong-acid process)
マゼンタ染料製造に従事 (Magenta, manufacture of)
塗装専従環境 (Painter, occupational exposure as a)
ゴム産業に従事 (Rubber industry)
硫酸を含む強い無機酸ミストに常時さらされる環境 (Strong-inorganic-acid mists containing sulfuric acid , occupational exposure to)
タバコの喫煙 (Tobacco smoking)
紫外線を発する日焼けマシーン (UV-emitting tanning devices) 2009年7月29日に Group 1 に追加。
ということで、記事の意図どおりに読めば「日焼けマシン」は危ないよ、若い頃からマシンを使いすぎるのはやめようね、ということでしょう。
ぼくが気になったのは、「グループ1」のカテゴリーを見てみると、アスベストとかα線放射核種の内部被曝なんて、いかにも身体に悪そうな項目があるのは、「そうだよなー」なんて思いますが、ベンゼンなんて「化学系の人はわりとよく使うよねー」と思いつつ、タバコの喫煙、太陽光曝露、アルコール飲料、受動的喫煙、環境経口避妊薬の常用ってなると「おいおい」と思ってしまいます。
普通の暮らしをしているとわりとこうした状況にあることって多いんじゃないかと思うわけですね。
でもさあー、ぼくの周りの漁師さんで、もう物心ついた時から海に出て漁をしてたよ、みたいな人が何人もいますけど、みんな長生きで元気ですよ。
というわけで、ぼくの場合、好きなことやってがんで死ぬならしょうがねえか、がんの野郎かかってこいやー、という感じです。
たぶんウォータースポーツやってる途中に事故死する可能性が高いと思うけど…
ちなみに「グループ2B」というのがあって、ヒトに対する発癌性が疑われる(Possibly Carcinogenic)、化学物質、混合物、環境というカテゴリーがあるらしくて、そこには、コーヒー (Coffee (urinary bladder) )膀胱癌のみ、という項目がありました。はは…
長生きしたい方はご注意ください。
ちなみに以前紫外線の有害性について調べた記事がありますので、そちらもどうぞ。
「紫外線から身を守れ!」
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