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頭と体をフルに働かせるウォータースポーツという遊び



 ウォータースポーツは、海という自然の中で遊ばせてもらうものです。結構危ない目にも遭います。
 都会で暮らす知り合いによくいわれるのは、なんでそんな危ないことを自分で進んでするのか?ということです。それについては、これまでもいくつか書いてきました。

運が悪けりゃ死ぬだけさ…

海遊びの危険とかリスクについて思うこと…

リスクゼロ?

 自然なので、気象や海況などは刻々と変化します。天気予報の精度が高まっているとはいえ、先のことはなかなか見通せません。
 よく不確実性の時代をどう生きるかというテーマのビジネス書が書店に並んでたりしますけど、海遊びをしていると、なんでそんな当たり前のことを本にしてるの?不確実じゃない時代なんてあったの?と本屋の通路でブツブツいっている自分がいたりします。海ってそれだけ変化するので、それに自分が慣れちゃってるんだなーと気づかされる瞬間です。
 気象や海況の変化を表す例でよくあるのは、スキューバーダイビングをするときのことです。スキューバーダイビングって圧縮空気の入ったタンクを背負って(見たことあるでしょ?)潜るんですけど、潜ってる時間は、まあざっくり40分とか50分くらいです。
 エントリー(潜り始める)のときは、なんてことない海況だったのに、エキジット(海から上がる)のときには海が大荒れだったなんてことは、ざらにあることです。
 シーカヤックやセイリングでも、午前中に海に出て、午後に急に荒れる(海はたいてい午後の方が風が吹く)ということもよくあることです。風が吹いて波がたって海が荒れ出すとしばらく続きますから、われわれ人間にはどうしようもありません。陸に上がってビールを飲むのが最善の策です。
 これもビジネスの現場でよく聞く言葉ですが、自己効力感が高い(低い)という表現があります。この言葉を分かりやすくいうと、いかに自分が役立たずじゃないって思えるかということだと思いますが、自己効力感というのも海遊びの場面では、あまり使いません。前提として自然の中で人間は無力だからです。それを踏まえて海遊びをしているのです。基本無力なんだけど、なんとかうまくやって生き延びるというのが、海遊びの基本姿勢です。
 ビジネスで使う自己効力感は、基本起きる現象に対して、自分がなんとかできるというのが前提になっている語感があります。そんなにハードル上げられちゃうとビジネスマンとしてはたいへんツラいところでしょう。いやいや基本どうしようもないんだけど、まあなんとか被害を最小限にできたという風に考えるといくらか気が楽になるんじゃないでしょうか?
 そういうわけでウォータースポーツにおいては、自己効力感は、いかに自然の状況に合わせて自分がいい思いをできるかとほぼイコールです。
 ぼくのように、その日の海の様子を見てスキューバーダイビングができるならやり、できないならシーカヤックをやり、それもできないならサーフィンをやり、それもできないなら陸でビールを飲むというのは、たいへん自己効力感が高いといえますし、不確実性にうまく対応しているといえるでしょう。
 そんな不確実で圧倒的な力を持つ自然の中で、危険を顧みず、なぜ海遊びをするのかということですが、ぼくの場合は、それが楽しいからです。正確にいうと、わからなくて自分の力でどうしようもない状況で、海遊びをして、無事生きて帰ることが楽しいんです。最近はこの楽しさはかなり本能に訴えかけるものじゃないかと考えるようになりました。もしかしたら祖先が、危険な自然の中で狩りや漁をして、それを人間の本能として楽しんでいた記憶が自分のどこかにまだ残っているんじゃないかとさえ思うほどです。そんなの検証しようもないですけど、それほど強い楽しさです。

 その楽しさを伝えるのは難しいので、かなりまわりくどく説明します。
 ぼくはゲーム(ってほらソニーとか任天堂とかが売ってるヤツです)ってあまり好きじゃありません。たいていパターンが決まっているからです。ゲームよりもボードゲームの方が好きです。それは参加者によって展開が違うからです。で、ボードゲームよりも将棋や碁の方が好きです。相手のタイプや戦法を前提に、先々まで考えて、こちらも打ち手を変えていけるのが楽しいからです。将棋や碁よりも、かくれんぼや鬼ごっこの方が好きです。それは空間や屋外の要素が加わるからです。
 何がいいたいかというと、ぼくが何かを楽しく感じる状況というのは、自分がどうしようもないことを考えてなんとかするプロセスが自体だということです。で、そのプロセスが複雑で、多要素で、不確実で、予測不可能であるほど楽しく感じるんだと最近気づきました。
 その点で、海遊びはすべての要素を満たしているから、だから楽しいんです。そういう意味では、山登りもぼくは楽しむでしょう。ウォータースポーツは、ぼくにとっては、頭と体をフルに働かして生き残りをかける遊びです。

 そんな話しを飲みの席で海遊び仲間と話すと、割と共感してもらえて盛り上がります。みんな同じようなことを喜びとして感じているんじゃないかな?って思います。

 










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