忍者ブログ

音楽系海の家のトラブルと社会背景




 もうずいぶん前からあって、すでに定着しているのが、音楽系の海の家です。それまでの海の家というとシャワー、荷物預かり、上手くもない焼きそばみたいな食べ物、座敷、ビーチパラソルやデッキチェアのレンタル、そんなのがあるところでした。
 その後に出現したのは、それをもうちょっと洋風にしてオシャレにした海の家でした。
 音楽系の海の家というのは、音楽にこだわったり、ライブをやったりというところです。これも初めてできた頃から20年以上は経っているかなと思います。でも、未だに衰えず、その数は増えているような気がします。
 その後音楽系海の家が、アロママッサージやアーユルベーダを取り入れたりして、ちょっと新しい展開を見せました。
 最近、音楽系海の家が、主に湘南の鎌倉、逗子あたりで問題になり始めました。
 もともと大音量で音楽を鳴らすので近隣住民にとっては耐えがたいということと、そこにたむろする主に若者のせいで治安が悪くなったということです。
 2014年の夏には逗子海岸が規制を始めました。

 さてさて、ぼくが音楽系海の家を最初に訪れたのは、かなり前です。たぶん1990年代後半のこと。葉山のオアシスです。オアシスがこの手の海の家の発祥であることは、音楽系海の家が好きな人にとっては当たり前のことですね。
 ぼくがオアシスに行った頃は、センスのいい音楽が特徴で、それを好む大人のちょっとハイソな雰囲気がありました。ハイソというのは適切ではないかもしれません。オシャレというか、文化的な雰囲気がありました。実際、客の顔ぶれの中に芸能人や文化人の顔を見ることもありました。
 なので、音楽を楽しみつつも、大人の自制されて中で運営されていたので、周辺住民も好んでオアシスを訪れていましたし、そういう施設があることを誇りに思っている感じがありました。
 その後、葉山の一色海岸にブルームーンができました。ここも雰囲気はよかったのです。
 環境に配慮した建物とか呼ぶアーティストとか夜間営業の自主規制とか、いろいろセンスのいい判断の上で運営されていました。

 葉山というのは電車の駅から離れていて、バスで来るか、車で来るかしなければなりません。なので、いわゆる夏の手軽な行楽として葉山の海水浴場に遊びに来る若者はそれほど多くないのです。
 葉山の海の家にはある程度の層の客が多いという傾向はあるかもしれません。
 それに対し、逗子や鎌倉の海は電車の駅から歩いて行けますから、客層がかなり違います。まあここでは仮にそういう客層を「スジの悪い客」と呼ぶことにしましょう。
 ぼくは海が好きで、あちこちの海辺に住んでいますが、こうしたスジの悪い客が来るのを嫌って、逗子、鎌倉、鵠沼、茅ヶ崎あたりからもっと静かな上品な海辺に引っ越した人を何人も見てきています。
 同じような住民心理がこの音楽系海の家にまつわるトラブルの背後にあることが想像されます。
 そして、葉山の音楽系海の家がうまく運営されて、逗子や鎌倉のそれが問題になったのは、このスジの悪い客が集まったのが主な理由だと考えています。

 つまり何がいいたいかというと、どんな施設でも器はどうであれ、運営する人のセンスとそこを訪れる人の質で場の雰囲気は良くも悪くもなるということで、その雰囲気を見定めていい場所を選ぶ目を持った方がいい時間を過ごせます。
 そしてそういう場所には似たようなセンスの人が集まりますから、そこでの交流も楽しく実りのあるものになることが多いような気がします。 

 さらに個人的な偏見に満ちた意見を書くことにしましょう。
 ぼくもだいぶオジサンでいろいろ見ていますが、バブルが崩壊して、1990年代後半くらいから、社会学でいうところの階層に変化が起きた気がします。スジの悪い客を構成する層-いわゆる低い層-と中間層とアッパーな層があるとすれば、アッパーな層が少なくなりより裕福になり、中間層が少なくなり、低い層が多くなったのではないかなと思います。また、低い層と中間層の違いも大きくなったと感じます。

 どちらかという中間層の生活や行動が低い層に引きずられているという印象で、その原動力は生活防衛とか将来への備えではないか?と思います。
 たとえばユニクロですが、バブルの頃はああいう服を着ることは恥ずかしいという雰囲気がありました。それを恥ずかしいと感じていた層が、1990年代後半には、ユニクロを着るようになり、それが主流を構成するようになったのではないでしょうか。
 もうひとつの例は軽自動車です。ぼくの世代が若い頃、軽自動車というのは、単純にカッコ悪いものでした。まあ、車にそんなに関心がない中間層の人でも、軽自動車は避けて5ナンバーの小型車を買うみたいな雰囲気がありました。そういう人達が軽自動車を買うようになって、軽自動車は主流になったのではないでしょうか。
 そういうことがあちこちで起きているのではないでしょうか。

 話が逸れましたが、音楽系海の家のトラブルの背後には社会階層の変化というものがあると思います。





にほんブログ村 ライフスタイルブログ 海辺の暮らしへ
にほんブログ村





拍手[1回]

PR

この記事にコメントする

お名前
タイトル
メール
URL
コメント
絵文字
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
パスワード

最新記事

(11/17)
(11/16)
(11/10)
(11/09)
(11/04)
(11/03)
(11/02)
(10/27)
(10/26)
(10/19)
(10/14)
(10/12)
(10/06)
(10/05)
(09/29)
(09/28)
(09/23)
(09/22)
(09/21)
(09/19)
(09/16)
(09/15)
(09/13)
(09/10)
(09/09)

ブログ内検索

PR

カレンダー

10 2024/11 12
S M T W T F S
1
5 6 7 8
11 12 13 14 15
18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

最新コメント

PR

google

最新トラックバック

RSS

follow us in feedly

アクセス解析