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休日には大瀧詠一さんのCDを聴きながら海を眺めています


 大瀧詠一さんがお亡くなりになったのは去年の年末のことでした。
 以前もそうでしたが、今でもドラマやCMで大瀧詠一さんの曲がよく使われています。

 大瀧詠一さんの代表的なアルバム『A LONG VACATION』をぼくが知ったのは中学生の頃でした。その頃には『EACH TIME』がすでに発売されていて、すぐにレコードレンタル(懐かしいですね)で2枚のレコードを借りたのです。

 中学生のぼくにとって衝撃的な音楽でした。その頃ちょうどYMOが流行った後で、クオリティの高い音楽ということはわかるもののぼくはイマイチ好きになれませんでした。でも、大瀧詠一さんの音楽には一発でヤラれました。豊かで、大らかで、繊細で、妥協のない音作り。カセットテープが擦りきれるほど聴いて、CDが発売されたときには買い直し、その後リマスター版のCDも買いました。

 80年代後半という時代は、もう圧倒的に洋楽を聴くのがオシャレという時代で、一方で邦楽では多くのアイドルがヒットを飛ばしていました。
 ウォークマンが発売され、FMレコパルを毎号買うという時代。
 音楽を聴くことが今よりもハードルが高くて、しかもより意識的な事でした。どんな音楽を聴くのか、誰のどんなアルバムが好きなのかということは、自分の考え方の概要を表明することとかなり近かったのです。

 大雑把にいうと、ぼくの周囲では、日本のアイドルの儲けるためのマスプロ音楽を消費する層と、ショパンやモーツアルトをキチンと聴く層(ピアノを習っている人に多い)と、アメリカ、イギリス、ヨーロッパのまだ日本で知られていない音楽を自慢気に聴く層と分かれていました。そしてそれぞれの層が、家の暮らし向きや学力が明確に違っていたのです。

 ぼくは明確に最後の層でして、多くの洋楽を聴きましたし、英語のリスニングも洋楽を聴くことでできるようになったような面もあります。
 邦楽はあまり聴きませんでした。佐野元春さんや角松敏生さんや伊藤銀次さんくらいだったと思います。その中で大瀧詠一さんの音楽だけはいつも聴いていました。
 多感な思春期に大瀧詠一さんの音楽を聴きこんだことは、たぶんぼくの感性に何らかの影響を与えていると思います。
 おそらくぼくが海好きで、今こうして海辺で暮らしているのも、その影響かもしれません。

 一般的な定番は「君は天然色」で、CMなどで使われることが多いんですが、ぼくが好きなのは「夏のペーパーバック」と「ペパーミントブルー」です。

 今でも休日は大瀧詠一さんのCDをかけながら、海を眺めています。
 潮風が頬をなで、少し強すぎる陽射しを浴び、遠くに波の打ち寄せる音がする。ずっと昔好きだった女の子のことを思い出しながら、コーヒーを飲む。
 ぼくは歳をとってしまいました。ずいぶん遠くに来てしまったような気がしますし、あの頃と変わらない気もします。

 ダイニングで妻と子供が話している声がかすかに聞こえます。

 ただ時間が過ぎていくだけのことです。
 ぼくがどのような音楽を聴き、その音楽にどんな想い出が詰まっているかなど、ぼくの頭の中にしかありません。

 そして大瀧詠一さんが天国で安らかに過ごされていることを願って…








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