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減圧症の危険因子と予防因子




 DANの会報『Alert Diver』56号を読んでいたら減圧症のリスク要因に関する柳下和慶先生の分析が掲載されていました。前提となっているのは最近沖縄特に八重山で減圧症発生が増えていて、それの調査だそうです。沖縄のダイバーと減圧症治療患者ほぼ同数約200名に聞き取り調査を行っています。いくつかの調査項目を危険因子と予防因子とどちらでもないものに分けています。

●危険因子
・30m以上の潜水
・減圧停止の指示(ぼくの推測ですが「ダイブコンピュータによる」だと思います)
・減圧症の既往
・ダイビング後の寒気
・ダイビング中の寒気
・半年以上の休止(ブランク)
・前夜の飲酒

●予防因子
・安全停止中に泳ぐ
・ディープストップ
・潜水前の水分補給
・ナイトロックス
・安全停止

 この中で、ディープストップというのは最近よく聞く言葉で、ダイコンにも機能が搭載されていますが、最大水深の半分の圧力の深度で2分30秒以内停止することです。水深25mに20分間以上潜った場合、水深15mで2分30秒行なうことが奨励されているというものです。(山見先生の見解による)
 ただし、ディープストップには最大水深が深くないダイビングで行うとかえって減圧症のリスクを高くするとの見解もあります。

 これらは聞き取り調査の結果ですから、科学的に因果関係が明確であるものと結果として有為な傾向が認められるけれども根拠が科学的に明確でないないものもあります。

 ここには上がっていませんが、1日3本以上の反復潜水もよくないといわれていますが、今回の調査では危険因子とはなっていません。
 ダイビング中の寒気ですが、浮上中や安全停止中は、体を冷やさないほうが血流が保たれて窒素の排出がスムースに行なわれる(山見先生)そうです。
 安全停止中に泳ぐといいというのも面白いですね。

 だいたいが「ああやっぱりそうだよね」という項目が並んでいるのもおもしろいですね。
 ただ、減圧症を防ぐために大切だとされていることがいくつか抜けていますね。よろしければ過去に書いたものをご覧ください。

減圧症は防げない?

 減圧症については、レクリエーショナルダイブプラナーの登場からずいぶん経つものの、それから新しい知見が表れています。予防・治療共に、門外漢が見ていても、すべてが解明されていない印象があります。
 科学的に解明されるのはおそらくまだ先でしょうから、それまでは安全側に立ったダイビングをするのがいいと思います。

 










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