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減圧症は防げない?

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DANの会報を読んでいたら、ちょっと驚く記事が載っていましたのでご紹介します。



【国際DAN名誉会長 ピーター・ベネットの発言】


「潜水医学に50年間関わってきましたが、コンピュータに頼るダイビングはナンセンス」

一般的にレクリエーションダイビングで行われている無減圧ダイビングであっても、浮上しなければならない限り気泡の理論からいえば必ず減圧症のリスクがあり、いろいろなタイプのコンピュータや器材をさまざま試しても、また高圧室でさんざん実験をしても、減圧症はやはり起こるというのが現実。

USネイビーのダイブテーブルに基づいた反復ダイビングでは4.9%の減圧症発生。
1981年92484件のダイビングで事故率0.04%
1987年106959ダイブに対し0.07%の事故率

「減圧障害というのは非常にランダムに発生します。気泡次第だからです。どこでも起こりうるということです。位置・部位は関係ありません。脊髄にはいろいろと気泡のできる余地があり、重要な部位に気泡が発生すると、神経障害、麻痺などを起こしうるのです」
・浮上速度を遅くすると、飽和速度の遅い組織の数値はあまり変わらないのに対し、早い組織では影響が出てくる。

水深15フィート(4~5m)で5分間停止を盛り込むとガスの飽和度が大幅に下がり、浮上直後の気泡が減る。
・水深20フィート(約6m)で5分間停止し、気泡を抜くと大きな違いが出てくる。

「浅瀬での停止はすでにできてしまった気泡を減らすには有効ですが、深場でできボイルの法則にしたがって膨張する気泡の発生を未然に防ぐ方がベターです。そこで①最大水深の半分の深度で2.5分間停止する、②さらに水深15フィート(約4.5m)でのシャローストップを3~5分間行う。これにより気泡を消す、あるいは顕著に減らす、すなわちDCSリスクを減少させる効果が生じます」

 

 

【アレキサンドロ・マローニ博士 国際DAN会長、DANヨーロッパ会長の発言】


脱水状態ではかなりの数の気泡を形成する。



以上のようにリクリエーショナルダイブプラナーに従って潜ったからといって、減圧症が絶対に防げるわけではないということのようです。それよりさらに水中にいる時間が長くなるダイブコンピュータでのダイビングでは減圧症のリスクが高くなることが推測されます。

でも、両博士の発言は、実感レベルでは納得のいくことではないでしょうか?
というのも、誰が見ても減圧症になるようなプロフィールで潜ってなくても(例えば最大深度20mで10分、トータルのダイブタイムが40分とか)減圧症になったという人を、結構見聞きするからです。


ダイビング自体が発展途上のスポーツであるとすれば、いろいろな知見の蓄積で明らかになっていくことは結構あるでしょうし、今あるダイブテーブルの安全性についても、それほど強固な裏付けがあるわけではないと理解した方がいいのでしょう。

だとすればより安全なダイビングの仕方について、経験レベルで改良していくのは良いことだし、歴史的にも、レクリエーショナルダイビング業界にとっても有益なことだと思います。

というわけで、現時点はっきりしていることは以下のことです。

・ダイブコンピューターを過度に信頼しない。
・ダイブテーブルの範囲内で潜る。
・水深15フィート(4~5m)で5分間停止
・水深20フィート(約6m)で5分間停止
・浮上速度を遅くする



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