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田舎と都会での人の距離感の違い



 休みの日に時間があると、海辺を散歩して、ときどき海を眺めながらボーッとするということをします。そういう時間がとても好きなのです。
 そんな時間が取りたくて、都会から海辺の田舎町に引っ越しました。
 海といっても、ぼくが住んでいるのは、湘南のようなオシャレな海ではなく、熱海のような観光地の海でもありません。地元の漁師のおっちゃんが歩いているような静かな、少し寂れているといってもいい漁村です。
 ぼくは好んでそういう漁村に引っ越しました。
 もう何百年も前から人々がそのように暮らしている、人の暮らしがむき出しの土地が好きなのです。
 そんな海辺の田舎町では、通りで見かける人やすれ違う人の顔を必ず見ます。そして知っている人なら挨拶はもちろん、たいてい立ち話をします。話すことはちょっとしたことです。
 都会でそんなことをしていたら頭がクラクラしちゃうでしょうけど…
 町の人はなんとなくおおよそその人の暮らしぶりを知っています。たとえば誰々の家に子どもが生まれたとか、どこそこの子どもは大学進学で大阪で独り暮らししているとか、どこそこの娘が離婚して戻ってきているとか、誰々さんの病気が重いなどなど、ぼくはあまりそういうことに興味はないのですが、そんなぼくの耳にも入ってくるのです。それ以外にも、あの人は気さくでいい人だとか、気難しい人だとか、怒りっぽいとかそういうこともなんとなくわかっています。
 そんな状況が息苦しい、嫌だと思う人もいると思います。ぼくも若い頃はそう思ったかもしれません。
 でも、今は別になんとも思いません。
 逆に人の顔が見えて、その人がどういう人かもわかっているので、わきまえて付き合えば暮らしやすいともいえます。少なくともマンションの隣の住人がどんな人かわからないとか、同じフロアの人と会ったことがないみたいな状態の方が、ぼくには怖く感じられます。
 小さな田舎町だと、見知らぬヘンな人が入って来るとわかりますし、みんななんとなく警戒します。子ども達は、町の大人を把握しているので、見知らぬ人には近づきません。
 以前ぼくの妻が入院したことがありました。そんなに重い病気ではなかったのですが、退院後は近所の人やママ友がお見舞いに来てくれたり、何かと気にかけてくれました。
 ぼくからすれば、老人が独り衰弱死するような、そんな都会の匿名性の高い暮らしの方が、普通ではないように思えます。
 ぼくは町の人から、普通のサラリーマンで、海遊びが好きで移り住んだオジサンだと、たぶん思われているでしょう。
 海辺を散歩して、ボーッと海を眺めていると、通りかかった人が声をかけてきます。「今日は仕事が休みなの?」とか「カサゴ釣りをしたらいい。誰々さんが昨日大きなカサゴを釣ってた。」とか「今日の夜空いてる?●●(飲み屋の名前)で飲もうよ。」とか…
 そんな感じで日々が過ぎていく暮らしが、ぼくはわりと好きです。









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