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海で死ねるなら本望だと思うんです



 ぼくはウォータースポーツをします。スキューバダイビング、シーカヤック、サーフィンをします。
 これらのスポーツは事故に遭う危険があり、時には死んでしまうこともあります。
 ぼくは35年以上ウォータースポーツをしてきましたが、なんとか今まで死なずにいられました。もちろんヤバイ状況には何度も遭遇しました。
 自然を相手にするスポーツですから、事前に入念に準備をし、海にいる間も常に注意を払っていますが、それでも100%安全ということはありません。
 ときどき「なぜそんな危ないスポーツをわざわざするのか?」と訊かれることがあります。ぼくからすれば、生きている以上、交通事故とか、ビルの上から物が落ちてきて頭に当たるとか、通り魔に切りつけられるとか、不治の病にかかってしまうとか、そういうリスクはゼロにはならないので、ウォータースポーツをすることで多少そのリスクが上がってもそれは誤差の範囲だと考えています。
 そうしたリスクを避けてつまらない人生を過ごすよりも、ウォータースポーツをして自然の中で活動する喜びを味わい、充実した人生を送りたいんです。
 海という自然の中でスポーツを楽しむことは、なんともいえな充実感があります。自然との一体感、自然の偉大さ、自身の体力と知力をフルに使ってウォータースポーツを楽しみ、無事に帰ってくるときの達成感と言葉をいくら並べても表現しきれません。こればかりは経験してみないとわからないでしょう。
 そんなわけで、ウォータースポーツに出発する際、家を出るときは、妻に挨拶をします。これが最後の挨拶になるかもしれないという思いを込めて挨拶します。そしてウォータースポーツをして、無事に陸上に帰ってこられたときは、強い達成感があります。
 海という自然を楽しんでいるのか、単に危険なスポーツをしてスリルを味わいたいのか、自分でもうまく整理できていませせん。
 まったく関係のなさそうな話しを書きますが、ぼくが小学生くらいの頃、テレビドラマで「俺たちは天使だ!」というコミカルな探偵ドラマ番組をやっていました。ぼくはそのドラマが好きです。今もDVDをすべて持っていてときどき見かえします。そのドラマの決め台詞に「運が悪けりゃ死ぬだけさ」というものがあるんですが、ぼくはこの言葉も好きです。
 そうなんです。ぼくの考え方の根底には、この世に生まれて、しかも障害もなく生まれて、さらに豊かといわれる日本人として生まれて、加えて平均的な家庭に生まれて十分な教育を受けられたのは、運がよかっただけだ、ということがあるような気がします。そして大した病気や事故にも遭わず50歳過ぎまで生きられたのは、運がよかったんだと思うんです。
 なので大好きなウォータースポーツをして、海で死んでいけるなら、それは本望だと思います。もともとたまたまラッキーでいただいた命を、自分のライフワークともいえるウォータースポーツをする過程で失うとしても、それは罰当たりなことではないだろうと、ぼくは考えているんです。そして死んだとしても「運が悪けりゃ死ぬだけさ」です。
 もちろんせっかくいただいた命と人生ですから、まったく自分の好き勝手に使っていたわけではありません。一応社会人として働いて、社会には、微々たるものですが何らかの貢献をしたようには思いますし、家庭も持ち、子供も自立するまでには育てました。
 それらを一応成し遂げた今は、ウォータースポーツを存分にしたいんです。できたら最高の自然を見て、海という自然の中で死んでいきたいとさえ思います。
 こんな思いを持ってウォータースポーツをしている人は、あまりいないんじゃないかと推測するんですが、こんな思いを持って海で遊んでいる人が一人でもいるんだということは、誰かに知ってもらいたいと思って、この文章を書きました。

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