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南の離島に強く惹かれるワタクシ



 南の島が好き、なんていうとちょっとミーハーな感じですね。
 テレビ番組のコーナーかなんかで渋谷にいる女の子に「旅行に行くとしたらどこがいい?」みたいな質問をして、「えー、南の島とか、チョー行きたーい」みたいな答えが返ってくる感じとでもいうんでしょうか。
 ぼくの場合は、離島が好きで、20年いろいろな離島に行ってきました。
 南の離島の良さはいくつもありますが、たとえば沖縄や小笠原まで南に行くと、気候も違うし植生も違います。それがまずいいですね。
 あと、ぼくはスキューバーダイビングをやりますけど、やはり離島というのは人が来ることが少ないので、つまり比較的海の中が荒らされていないので、サンゴの状態も良く、魚影が濃いということもあります。
 もうひとつ離島の良さですが、これはもう一番の良さといってもいいと思いますが、人の良さですね。人が優しいし、温かい。もちろんコミュニティの中に入ればいろいろあるんでしょうけど、少なくとも観光客には優しいです。
 そしてその人の良さから醸し出されて島中を包んでいる、大らかさとノンビリさ、これはぼくが離島に行きたくなる理由の大きなものです。
 島の大らかさやノンビリさの良さを、正反対の例を出して説明してみたいと思います。たとえば車で環七とか環八とか走っていると、前の車との車間距離が空いているとすかさず、他の車が割り込んできますし、少しでもゆっくり走っていると煽られたりクラクションを鳴らされたりします。みんなが先を急いでいて、他の人よりも速く走ろうとしています。その先に何があるか人それぞれでぼくの知ったことじゃありませんが、走っているとこっちの気持ちがすさんでくるのは確かです。
 ぼくは都会のそういうことに象徴される人と人との関係性がイヤで田舎町に移住したんですが、それでもやはり年に何度か南の離島に旅したくなります。
 小さな南の島に1週間くらいいると、島の人も顔を覚えてくれて、挨拶してくれたり、ちょっと縁側でお茶でも飲んでけと勧められたりして、島のゆっくりした時間に、自分がどっぷり浸かっているのがわかります。
 自分の中のセカセカ追い立てられる、あるいは自分自身を追い立てるような気持ちが抜けていくのがわかります。
 そうすると、ありのままの自分を受け入れることができて、自分がとても楽になります。これこそブルー・エクササイズの一番の効果だとぼくは思っています。
 強い陽射し、吹き抜ける潮風、サトウキビ林、レモン林、そんな風景に自分が溶け込みつつあるのがわかります。
 そしてできればこのままずっとここに住みたいなと思ってしまうのです。




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