海の贈りものを受けとる場所
「海辺で毎日をていねいに大切に暮らしたいな」と思い続けてきました。
海辺の暮らしの中で気づいたこと
海のすばらしさ・楽しさ
ウォータースポーツの楽しさ
などなどをご紹介できたらいいな。
伊豆の良さ 海辺の高原 -伊豆高原-
伊豆にはなんともいえない良さがあります。伊豆といっても広いので、今回は伊豆高原を取り上げてみたいと思います。
ぼくにとって伊豆高原は愛着のある土地です。
最初に伊豆高原に行ったのは、1993年のこと。スキューバーダイビングのライセンスを取るための合宿が伊豆高原の近くの海岸で行われていたのです。それまでは伊豆に行くとしたら熱海、湯河原、白浜くらいで、仲間と海水浴かドライブに行くくらいのものでした。
スキューバーダイビングライセンス(Cカードといいます)を取った後、ダイビングにすっかりハマってしまい、月に2、3回は伊豆高原に通うようになりました。
金曜日の夜、東京のダイビングショップで待ち合わせて、5、6人でショップの送迎用ハイエースに乗り込み伊豆高原へ向かうのです。ドライバーはインストラクター。みんなで車に乗り込んで遊びに行くというプロセスが、大学のサークルのノリっぽくて好きでした。途中、東名の海老名サービスエリアで食事をして、熱海あたりのコンビニでトイレ休憩をするというのがお決まりのパターン。
小田厚を小田原で降りて、石橋を過ぎる辺りで海が見えてくると、かなりテンションが上がったものです。海況がいい(海が穏やかだ)と明日のダイビングへの期待が高まるのでした。
時間の都合でこの送迎車に乗れない時は、自分一人で、ダイビング器材を担ぎ、電車で伊豆高原まで行きました。東海道線→伊東線→伊豆急と進むにつれて、ノンビリ感が増していく流れがなんともいえません。特に伊豆急は単線でまったりして、時間がゆっくり流れている感じが好きです。遅いと怒る人もいるかもしれませんが、リゾートの電車はこんな感じでいいと思います。できれば小海線くらいひなびた感じがあって欲しいです。
土曜日の朝9時にダイビングポイントのサービスに集合と決まっていましたので、東京を始発で出ていました。伊豆高原のホームに降り立つと朝の海辺の空気と緑の匂いが満ちていて、深呼吸をすると体のすみずみが生き返るような気持ちになりました。平日、東京でのオフィスワークでくたびれた心と体が、やっと一息つくという感じなのです。
この時期くらいから、ぼくは海が好きでしょうがないことを自覚し、いつかは海辺で暮らしたいと思うようになりました。
その後、自分で車を買うと、かなり自由度が高くなって、金曜日の夜に現地のダイビングサービスに入ることもあれば、土曜日の朝に入ることもありました。自分の車で行く良さは、途中や帰りに寄り道したりできて自由なことです。これでずいぶん伊豆のあちこちに立ち寄ることができるようになりました。
一口に伊豆高原といっても、人それぞれイメージが違うかもしれません。一応ここでは、川奈、城ヶ崎、富戸、海洋公園、八幡野、大室山、小室山あたりまでということにしておきましょう。
ダイビングというのは朝1本(ダイビングではタンク1本分が1回の潜水なので、1回潜ることを1本潜るといいます)潜って、昼メシを喰って午後もう1本潜るというのがよくあるパターンなのですが、そうすると午後の2時か3時には終わってしまうんですね。その後はみんなでダベったり、ゆっくりしたりと人それぞれ過ごすんです。ぼくの場合は、夕食までの時間、仲間を誘って伊豆高原エリアを車でウロウロすることが多いです。
城ヶ崎というのはよくサスペンスドラマのロケで使われるところです。海岸の岩場に橋がかかっていて、そこから人が突き落とされるシーンを見たことありませんか?
景色が良く、緑も多く、遊歩道も整備されていて観光客が多いせいか、○○美術館とか××博物館のような観光スポットっぽい施設が点在しています。それに、ちょっとシャレたカフェや土産物屋、ベーカリー、ペンションなどがあって、ミニ清里といいますか、そういう雰囲気ですので、ちょっと時間を過ごすにはもってこいなのです。
特にケニーズカフェはこのあたりでは定番の店になっています。
もう潰れてしまいましたが岩城滉一さんのお店「K's GAME」もありました。
城ヶ崎の一帯は溶岩でできた岩礁の海岸線が続いていて、独特の景観になっていますが、それがスキューバーダイビングにはうってつけの環境なのです。というわけで、スキューバーダイビングの聖地ともいわれる伊豆海洋公園(ダイバーはIOPと呼びます)があります。日本のレジャーダイビングはここで誕生し、成長したといってもいい過ぎにはならないでしょう。
伊豆高原の高原側、大室山・小室山の麓一帯は別荘地が多いエリアです。まあここが本当の意味での伊豆高原だと思います。
高原に広がる別荘地へ向けて伊豆急伊豆高原駅から道が伸びていて、ここの桜並木は有名です。
このあたりも別荘に混じって、ペンションやカフェ、工房などがあります。しかも高原の上の方に上(ダイビングでは潜った後は高所に行かない方がいいんですが…)夏でも結構涼しいので、カフェのテラス席でお茶などしながら、ダイビング仲間と話すのも楽しいものです。場所によっては、高台から東伊豆の海を見下ろして、その先には大島が大きく見えることもあって、なかなかいい気分です。
伊豆高原の駅のそばには「高原の湯」という日帰り温泉があります。他の日帰り温泉と比べると値段・施設共に少し物足りませんが、このあたりで一番近い日帰り温泉なので、夕食までに広い湯船で温泉を楽しみたいという場合は悪くありません。少し足を伸ばして、赤沢の日帰り温泉まで行くのが一番のオススメですが…
川奈というのは、有名な川奈ホテルとゴルフコースがあるところです。この名門ゴルフコースに憧れる人は多いようです。経営母体が変わったようですが、ホテルやゴルフコースは相変わらずやっています。
川奈は、海から急に丘というか山が立ち上がっていて、全体に斜面が多いところです。その斜面から大島の眺めを狙って別荘っぽい建物が点在しています。このあたりも別荘に混じって、レストランやカフェがあるので、そういう店を巡るというのもアフターダイビングの楽しみです。
富戸も海から山が立ち上がっている地形は川奈と似ていますが、家々の佇まいが川奈よりもちょっと漁村っぽいといいますか庶民的な雰囲気になります。たぶん大規模な別荘地がない分、街路が昔のままなので、そういう雰囲気になるのでしょう。
城ヶ崎の下田側が八幡野です。ここはさらに漁村っぽい雰囲気になります。
別荘地っぽい雰囲気から漁村っぽい雰囲気までをエリアごとに並べると…
伊豆高原→城ヶ崎→川奈→富戸→八幡野
という順番になると思います。
このように海と高原の両方の雰囲気が混ざり合っているのが、伊豆高原のいいところだと思います。
海だけだと、どうしても湘南とか大洗とか伊豆白浜のようにヤンキーの溜まり場っぽくなるか、熱海のようにオジサンっぽくなってしまいがちですが、伊豆高原はそこまで下品になりません。
だからといって、軽井沢や八ヶ岳のように異様に敷居が高い感じでもなく、キャピキャピ、ざわざわした感じでもありません。
しかも一応高原なので緑も豊かで、夏でも清涼です。高度はそんなでもないので、植生は高原ではありませんが…
海辺なのに海辺独特の湿気がない感じがぼくは好きです。
海辺なのに高原らしい木々が繁っている様子が好きです。いろいろな海辺を訪れましたが、あの独特の感じは伊豆高原だけですね。
国道135号線沿いには観光客を目当てに、和食屋、レストラン、回転寿司、コンビニ、美術館、シャボテン公園などなどが立ち並ぶのはもちろんですが、紳士服のコナカ、マック、ガスト、ホームセンター、ユニクロ、東急ストア、ヤオハンなどなど、地元で暮らす人向けの店がたくさんあります。
それに車で30分くらいの伊東まで足を伸ばせば、もっといろいろな店があります。生活で不便を感じることはない一方で、せっかくリゾートに来たんだからもっとひなびた感じがあってもいいのではないでしょうか。伊豆高原が熱海化しないことを心から祈ります。
東京から車で3~4時間、伊豆に別荘を持って通うとするとこの距離が限界でしょう。これが下田だと、あとプラス1時間か1時間30分余計にかかります。だからといって真鶴や熱海ほど近くないという距離感も伊豆高原の良さでしょう。
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