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ペンキ塗りに見る、田舎のコミュニティの価値観について



 毎年恒例にしていることはいくつもあって、そのひとつとしてデッキやテーブルやチェアなどの屋外木製品にペンキを塗るというのがあります。
 ぼくが海辺の今の家に引っ越してきてから近所の人にアドバイスしてもらったのが、屋外木製品には年に最低1回はペンキを塗ることというのがあります。
 ちなみにもうひとつアドバイスしてもらったのは、洗濯物はできれば午後2時までに取り込むことというのがあります(夕方になると海風が吹いて洗濯物が潮っぽくなってしまうから)。
 ちなみにもうひとつアドバイスしてもらったのは、春先には、家の外側の周囲に防虫剤の白い粉を撒くというのがあります(ムカデやヤスやゲジゲジが家の中に入ってこないように)。
 他にもいろいろアドバイスしてもらったんですが、横道に逸れすぎてしまうので、本題に戻りましょう。
 ペンキを塗るのは、木製品を長持ちさせるのとシロアリなどの害虫を発生させない効果があるのです。
 ぼくの近所では春から初夏にかけて、どこの家もペンキ塗りをします。ペンキを塗るのはたいていお父さんの仕事で、そこに家族が手伝うというパターンがあります。見ていると、なかなかに微笑ましい、小市民的な幸せを感じさせる情景です。
 ぼくの住んでいるあたりでは、お父さんがDIYなど家のメンテをやったり、趣味の一つや二つを持っているというのが当たり前で、お母さんもガーデニングとかヨガといった趣味や習い事をしているのが普通です。そういうのが良しとされる雰囲気があります。
 逆に軽蔑までいきませんが、あまり良しとされない、かっこくよくないこととして、お父さんが、仕事で忙しいとか、家周りの維持に興味がなくて、お金でプロに何でも頼んでしまうとか、家のことは全然構わないといったことがあります。
 なぜそういう価値観があるのか、ふと考えてみたんですが、お父さんや家族が家のことを自分たちの手で何かするというのは、一つは(仕事よりも)家庭を大切にしている象徴であるということ、もう一つは家や家周りになんらかのこだわりやポリシーがあること、もう一つは自分でなんとかできる生きる力があることの表れであるということ、もう一つは家族がバラバラではない幸せの象徴であること、もう一つはお金を持っている持っていないに関わらず、自分たちの手で何かを作ることはいいことだと考えられているといった理由が思い浮かびました。
 実際、家にデッキがある家というのは結構ありますが、手入れをしていなくて腐らせてしまう家のお父さんというのは、近所の人から若干軽蔑さげすみ残念的な目で見られている感じです。一方、お金があるからといって何でもかんでもプロの大工さんにまかせて、豪華なしつらえをする家のお父さんも、嫌味傲岸あまり友達がいない人なのね的な目で見られがちな感じがするのです。
 たかだかデッキのペンキ塗りですが、そこに古き良き日本の家族像を求めるコミュニティの価値観が垣間見えるようで面白いし、一戸建てが多い住宅地のハイコンテキストなコミュニティの雰囲気があるようです。それを心地いいと感じるか煩わしいと感じるかで、郊外のちょっと田舎暮らしを住み心地は違ってくるかもしれません。







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